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NO481 2010.9.8
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                              2010.9.8   NO.481

       ◇日経、本日の蛍光ペンでマークする記事・ことば◇  
                                            
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            2010.9.8(水)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●新興・中小企業面(P12)  《200年企業 成長と持続の条件》  時代の先読む眼力、脈々

    徳川時代、加賀藩には「江戸三度」と呼ばれる飛脚制度があった。
    金沢と江戸屋敷を月に3度往復したことからその名がつき、100万石を擁する
    大藩の公文書類の配送を担った。
    1659年、4代藩主前田綱紀から「中荷物御用」を拝命して名字帯刀を許され、
    飛脚問屋として創業したのが浅田屋(金沢市、浅田裕久社長)の初代伊兵衛
    である。

    飛脚制度は現在の郵便制度に通じる。
    一時は同業者を束ねる江戸詰め飛脚頭取を務めるなど浅田屋の商いは順調
    だったが、幕末の1867年に当時の当主浅田庄平がにわかに「中荷物御用」を
    返上。飛脚問屋をやめ、旅館業に転じた。

    「200年続いた飛脚業をやめた真相はわからないが、時代が大きく変わる予兆を
     どこかでつかんだのでは」と浅田社長の長男、浅田久太専務は推測する。
    翌年明治に改元され4年後に廃藩置県、郵便制度発足と続く。
    早々に飛脚業に見切りをつけた庄平の慧眼が確かに際立つ。

    時代の先を読む眼力は浅田屋当主の伝統といえる。
    浅田社長の父、勝次氏は1930年に14代目として家業を継承。
    64年に「加賀石亭」を金沢に開業して外食産業に参入するなど多角化を進めた。
    業績不振の旅館を買い取り、問題点を改善した後に売却して差益を稼いだりも
    した。今でいう再生ビジネスだ。

    勝次氏が交通事故で急逝後、71年に31歳の若さで浅田グループ(現在の浅田屋)
    社長の座に就いたのが長男で15代目の浅田社長だった。
    就任以来ステーキハウスや焼肉レストラン、活魚料理店など目新しい新業態の
    外食店を次々に開店。「浅田屋の若社長は新しいもの好き」と地元で評判に
    なった。
    
    一方、77年に旅館「浅田屋」を全面改装し、それまで約30室あった客室を5室に
    削減。大衆旅館から料亭旅館に業態転換した。
    金沢には80年代半ばから大手ホテルチェーンが続々進出。70年前後に約140軒
    あった旅館は90年には約80軒、現在は20軒ほどに激減している。
    「従来の大衆旅館の業態では浅田屋も早晩行き詰まるとの判断だった」と
    久太専務は解説する。

    95年、浅田社長は81年の開業以来業績不振が続いていた「金沢国際ホテル」を
    西洋環境開発(2002年特別清算)から買い取った。「20億円の大型買収」と
    地元で話題を呼んだが、「私も含め家族や社員、父の友人もみな反対した」と
    久太専務は振り返る。

    ただ、大型買収は当時東京の外食コンサルティング会社に勤務していた
    久太専務が浅田屋に入るきっかけになった。
    「国際ホテルは敷地が1万坪(約3,3000m2)もあるからいろんなことがやれる。
     人手が足りないから(金沢に)帰ってこないか」と父は息子に声をかけた。

    「当時はまだ父の跡を継ぐ心づもりはなかった」と話す久太専務は
    国際ホテル内に96年新設したイタリアレストランの経営を任された。
    後継者になる思いが固まったのは3年ほど経過してから。
    「一緒に働くスタッフだけでなく、その家族の将来を担っていかなければという
     自覚が自然に出てきた」という。

    久太専務は42歳。1歳下の弟、啓太取締役と次代の経営を担う。
    16代目として何を守っていくべきか、考えた末に最近結論に達したという。
    公文書を届ける飛脚も宿泊者を預かる旅館もそして食事を提共する外食業も
    すべて同じ。
    「浅田屋が350年間守ってきたものは『信用』だった」


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●投資・財務面(P13)  《財務が変える経営 上 》  現金創出で強さ磨く

    金融危機後の世界同時不況を経て、企業は財務戦略の重要性を改めて認識した。
    戦略的な財務は安定性のみならず、効率的な経営を促しグループ全体の
    競争力を向上させる。
    独自の財務戦略を通じ強い企業をつくろうとする取り組みを追う。

    「資材置き場に無駄が多い」「生産ラインが複雑だ」。
    東芝は半導体や重電など複数の工場で、外部から専門家を招き改善活動を
    始めた。コスト削減に定評のある同社が、わざわざ外部から人を招いて効率化に
    取り組むのは「CCC」と呼ぶ経営指標を達成するためだ。

    CCCはキャッシュ・コンバージョン・サイクルの略。
    売掛金と在庫の回転日数から、買掛金の回転日数を引いて求める。
    日数が少ない企業ほど、現金を生み出す力が大きいとされる。

    東芝が期待しているは、CCC短縮による経営への波及効果だ。
    導入の旗振り役となったのは村岡富美雄副社長は
    「資金繰り、貸借対照表、収益の改善につながる」と"三方良し"を強調する。

    具体的にはこういうことだ。
    CCCを短縮すれば、運転資金が減り設備投資や配当に回すお金が増える。
    運転資金を賄う有利子負債は圧縮でき、在庫削減による生産現場の効率化で
    労務費なども削減できる。

    効果は着実にあがっている。2008年3月期に34日だったCCCは前期に27.8日と
    初めて1ヵ月を切った。前期は197億円の最終赤字だったにもかかわらず、
    純現金収支(フリーキャッシュフロー)は1,985円の入超と、1年前より
    約5,500億円も改善。有利子負債は約5,900億円減り、4倍だった
    負債資本比率(DEレシオ)は1.5倍に急低化した。今期はCCCを25日まで短縮する
    目標だ。

    コマツが目指すのは、自社保有の在庫を圧縮しながら、販売代理店の持つ
    流通在庫を限りなくゼロに近づけることだ。

    流通在庫が膨れると実際の需要を見誤り、設備投資などで無駄が生じやすい。
    代理店は値引き販売に動きコマツの損益も悪化する。
    ただ、在庫が足りなければ注文に応じ切れずに販売機会を逃すリスクもある。

    在庫を持たず、需要も取り逃さない--相反する「非常に厳しい課題」を
    クリアするため、綿密な需要予測と生産時間の短縮を追求した。

    販売と生産管理の担当者は頻繁に会議を開き、需要変動をきめ細かく予測。
    建設機械の種類や部品を世界中で標準化し、繁閑に応じ工場ごとに生産台数を
    柔軟に振り分ける体制を敷いた。

    その結果、コマツ保有の分を含め08年秋のリーマン・ショック後の18,000台まで
    膨らんでいた在庫は7,000台まで減少。店頭での展示品を除けば中国の流通在庫は
    ゼロ、米国でもゼロに近い水準まで削減した。

    それでいて中国の需要増加にも素早く対応し「目立った機械損失は生じて
    いない」。4~6月期の営業利益は540億円と前年同期の6.5倍に拡大し、利益率は
    世界最大手の米キャタピラーをしのいだ。

    こうした財務戦略を企業全体の競争力アップにつなげるには他部門との連携が
    欠かせない。
    例えば東芝は社内横断のイノベーション活動と位置付け、改善を継続する工夫を
    している。
    幅広い部署で目標を共有してこそ、強さに磨きがかかる。


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●マーケット総合1面(P14)  《まちかど》 新車の次は中古車人気

    中古車関連銘柄がにわかに人気を集めている。
    エコカー補助金が財源切れで近く打ち切りになると伝わり、7日は
    ガリバーや関連情報誌のプロトが逆行高。
    補助金効果がなくなる新車に比べた中古車の割安感が見直されるとの
    見方が広まった。

    補助金支給の影響で国内の中古車登録台数は7月まで18ヵ月連続で
    前年割れが続いていた。
    市場では「個人投資家の短期売買が中心で物色は長続きしない」との
    指摘もあるが、経済政策の逆風が止まり、周回遅れの株高になるか。


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●マーケット総合2面(P15)  《大磯小磯》 円高をどうみるか

    円ドル相場が1ドル=79円台を付けた1995年以来の円高水準となっている。
    これをどのようにみればよいのだろう。

    2つの見方がある。
    1つはあまりにも円高が急速であり、立ち直りかけている輸出を抑え、景気を
    失速させかねない、政府・日銀は早く対応策を講ずるべきだ、というものだ。
    これが大勢であろう。

    もうひとつ有力な見解がある。
    日本の輸出の国際競争力をみるのに適しているいわれる実質実効為替レートで
    みると、水準は95年当時を大幅に下回っており、大騒ぎすべきでないという
    考え方である。
    理屈でいえば、輸出対象国の通貨に対する円の実質価値を表した
    実質実効為替レートで判断すべきであろう。
    ただ次の点を考慮すべきではないか。

    第1は、実効為替レートは輸出対象国の通貨と円との交換レートを基準にして
    いるが、日本の輸出の半分はドル建てで行われていることである。
    たとえばアジア地域向け輸出の49.9%(今期上半期)は米ドル建てである。
    したがって米ドルに対しての円高というのはやはり日本の輸出に影響して
    くるのではないだろうか。

    これと関連して第2の点は、日本経済の貿易依存度が大きく高まっていることで
    ある。95年当時は日本の貿易依存度は20%台だったが、リーマン・ショック
    前には30%を超えた。円高が輸出減少につながると、影響は大きいと覚悟
    すべきであろう。

    それでは今後はどうみるか。
    15年前の円高は、円・ドルベースでみても実質実効為替レートでみても大幅な
    円高だった。これはただちに経常収支黒字の縮小につながった。
    その結果、円相場はその後、急速な円安の方向に修正されていった。

    今後をみるポイントは、貯蓄・投資バランスである。
    今年度、財政赤字は急速に膨らむ。一方て家計の貯蓄率は国内総生産(GDP)ベース
    でみると90年代半ばから急速に低下し、今や5%を大きく割って米国とあまり
    変わらない水準まで下がっている。

    一方で企業部門の貯蓄が増加し、日本経済全体としては貯蓄超過であり、
    したがって経常収支黒字を維持しているのが現状である。

    こうしてみると現在の円レートは微妙なバランスのうえにある。
    中期でみると、今は円高は最終段階にあるようにも思えるのだが。(一直)

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 編集後記
 
 日経平均株価、午前の終値 -181円の 9,044円。

                              (那珂)
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NO482 2010.9.9
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            2010.9.9(木)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●総合・政治面(P2)  《社説》  虚しく響いた国策捜査批判

    外務省官僚や、地元・北海道の政官界に強い影響力をもった
    鈴木宗男衆院議員に対する懲役刑判決が確定し、鈴木議員は失職して近く
    収監される。国会議員が実刑確定によって職を失うのは戦後4人目という。

    最高裁の上告棄却決定により確定する一審判決は、検察が起訴し鈴木議員が
    否認した4つの罪すべてを有罪とした。
    あっせん収賄、受託収賄、議院証言法違反、
    政治資金規正法違反(収支報告書虚偽記入)と、どの犯罪も政治家として
    恥ずべき、国民への重大な背信である。

    鈴木議員は「外務官僚と検察官僚に失脚させられた。権力による国策捜査に
    狙い撃ちされた」と潔白を訴えてきた。
    しかしながら、一審から最高裁まで変わらず認定された犯罪事実の前には
    そうした主張は虚しく響く。

    民主党は、実刑が確定して議員の身分を失う事態が十分予想できたにも
    かかわらず、野党の反対を押し切って鈴木議員に衆院外務委員長の要職を
    与えた。その責任をどう考えるのか説明する必要がある。

    鈴木議員が犯したと認定された収賄は、1件は自分の職務権限に関してワイロを
    取り、別の1件は他の公務員に不正をするように働き掛ける報酬としてワイロを
    受けたもので罪名も異なる。
    ただ汚職の構図は共通していて、つづめていえば「官庁への影響力を養って
    地元に利益誘導を図り、見返りに地元の業者からカネと票を得る」
    というものである。

    政官業がもたれあって不当な利益を配分し合う癒着・腐敗の典型といえる。
    とりわけ受託収賄の事件では、当時の北海道開発局が発注した公共事業の
    競争入札でいわゆる官製談合が「常態化していた」と認定されており、
    官製談合の仕組みの中で落札者指名を受けることがワイロの目的だったと
    断じられた。

    鈴木議員は一審判決を受けた2004年11月に、
    私たちは「ムネオ政治は過去のものか」の見出しで、利益誘導と票・カネの
    やりとりから決別しなければならないと述べた。

    官庁への影響力をカネと票で売ろうとしない政治家の意志と、政治家の不当な
    圧力に節を曲げない公務員の覚悟。
    その両者について、この機会にもう一度問いたい。


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●企業2面(P13)  日本ユニシス 酒気帯び検知し通信

    日本ユニシスは9月中にITを活用し、トラック運転手らの酒気帯び運転を防止する
    サービスを始める。
    トラックに装備した携帯型アルコール検知器で、運転前に酒気帯び検査すると、
    結果が携帯電話網を通じ、即座に遠隔地の管理者に通知される仕組み。
    検査時にカメラで運転手の顔写真を自動的に撮影し、なりすましを防ぐ機能も
    付けられる。

    同社は急ブレーキなど危険な運転を感知すると自動的に動画を保存し、
    リアルタイムで顧客企業の管理者に通知するサービスを、2009年7月から運送会社
    などに提供している。

    同サービスのためトラックなどの運転席に取り付ける専用車載器を、今回の
    サービスにも活用する。

    専用車載器はカメラや携帯電話網を使った通信などの機能を備えており、そこに
    携帯型アルコール検知器を接続して使う。

    検査データは日本ユニシスのデータセンターに送信されるほか、顧客企業の
    管理者にもメールで通知する。

    国土交通省が業務用車両の飲酒運転に関する規則を改定し、11年4月1日以降に
    運転点呼時のアルコール検知器の利用を義務付けたことで、運送会社などが
    対応を急いでいる。


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●投資・財務面(P15)  《財務が変える経営 下 》  投資効率、細かに点検

    「好採算のCR-Vにはもっと資源を投入しろ」「この車種の効率性は悪すぎる
     のでは」。
    8月以降、ホンダの事業管理本部を中心にこんなやりとりが目立つようになった。
    投下資本に対する収益性をみる投下資本利益率(ROIC)の観点から、モデル別の
    研究開発動向を常にチェックし始めたためだ。

    2000年以降、売上高に対する研究開発費の割合を5%以下としてきたが、売上高は
    為替や景気による変動が大きく「効率的な投資が難しかった」。
    08年3月期までの売上高利益率は7~8%台を行ったり来たり。
    金融危機で先行きも読みにくくなり、予算作成段階での効率的な開発費の算出が
    難しくなっていた。

    そこで導入したのがROICの考え方を開発投資に反映させる手法だ。
    経常利益と減価償却費の合計を、人や金型といったモノなどの投入資源と
    研究開発費の合計で割り、効率性をみる。

    指標は二、四輪車すべてに導入する。モデル別投資リターンがわかり、瞬時に
    「開発効率の良しあしを判断できる」。現在、四輪車の平均リターン率は
    10%超とみられるが、今後、「フィット」や「シビック」などグローバル車種では
    2~3割りに高める。

    この取り組みにより「無駄な資産を減らしながら利益を上積みできる」。
    自己資本比率の向上や手元資金の拡充など財務改善にもつながるという。

    ROICなど経営効率を測る指標を導入する動きは、小売りなど内需企業にも
    広がっている。背景には、金融危機を経て限られた資金を有効に使う考え方が
    より強まったためだ。徹底した採算管理も不可欠になる。

    これまで主だった経営指標を掲げていなかった三菱重工業も4月からROICを
    導入した。事業や製品ごとに採用する上、自己資本利益率(ROE)とも併用する。
    10年3月期に全社平均で1%だったROICは15年3月期に5%へ高める。

    導入に踏み切ったのは、エアコンからロケットまで700種もの製品を手掛け
    経営資源が分散しがちだったため。納入期間もばらばらで管理が難しい。
    そこで製品ごとに投下資本と利益蓄積を把握できる貸借対照表を作成し、
    事業別の細かな目標値を設定。利益率改善や在庫削減をめざす。

    日産自動車は新興国投資で制約を受けるとしてROICの目標設定を掲げるのを
    やめたが、こうした例はまれだ。
    東芝は営業利益を自己資本と有利子負債の合計で割って算出する
    投下資本利益率を、13年3月期に前期の5%から20%に改善させる。
    製造業以外では日本郵船が11年3月期に3%(前期はマイナス0.4%)を目指すなど
    ROIC導入は広がっている。

    市場でも海外機関投資家などがROICを中心とした効率性指標を重視している。
    ある米系投資会社の運用担当部長は「自動車ではROIC10%以上を銘柄評価の
    基準とする」と話す。

    ただROICについては、効率経営が強みのホンダですら「現場に考え方を浸透
    させるのに2年かかった」。
    目標達成には経営陣と現場の連携強化が欠かせず、企業の組織力や対応力が
    一段と問われる。

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 編集後記
 
 鈴木宗男衆院議員に対する懲役刑判決が確定。
 「政治とカネ」の表看板とする国民に必要のない政治屋の一人。
 懲役刑判決の確定は当然。
 今回での追徴金1,100万円以外に、2005年11月からの国会議員としての
 国民の税金である歳費も返金してほしい。

 鈴木宗男衆院議員と同列の議員が民主党代表選に出ている。

                              (那珂)
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NO483. 2010.9.10
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            2010.9.10(金)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●1面(P1)  日印EPA 大筋合意

    日本・インド両国政府は9日、2国間の経済連携協定(EPA)を締結することで
    大筋合意した。
    発行から10年間で、両国の貿易総額の94%にあたる品目の関税を撤廃する。
    日本の主要輸出品目である自動車部品や鉄鋼などの大半が無税となる。
    日本は後発医薬品(ジェネリック医薬品)承認の迅速化を検討する。

    都内で開いた次官級の交渉で大筋合意した。
    発効すれば日本にとって12件目のEPAとなる。
    インドのシン首相が来日する10月に正式合意する方向。
    2011年に発効する見通しだ。

    日本の輸出品は90%、インドの輸出品は97%が無税となる。
    日本の主力である自動車部品や鉄鋼などの産業では、大半の分野で関税を
    撤廃する。
    インドは自動車部品やエレクトロニクス関連を無税とする。
    完成車は関税撤廃の対象から除外したもようだ。

    農林水産省はインドの輸出品について、コメや麦、牛肉などを関税撤廃の対象
    から除外すると発表した。カレーや紅茶などは無税。
    日本の輸出品では盆栽やイチゴなどが無税となる。コメや鶏肉などは関税撤廃の
    対象から除外する。

    インドが求めていた
    1 後発医薬品の承認の迅速化 2 インド人の就労機会の拡大--については  
    協力を具体化する方向で一致した。  


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●総合面(P3)  《きょうのことば》 経済連携協定(EPA)

    2国間や多国間でヒト、モノ、カネなどの移動を自由化する協定。
    関税やサービスの外資規制を撤廃する自由貿易協定(FTA)も含め、幅広い
    協力関係を構築する。
    日本が署名・発効したEPAは11。
    現在はインド、ペルー、韓国、オーストラリアなどと交渉している。

    世界貿易機関(WTO)を通じた多角的な通商交渉が行き詰っているため、各国は
    EPAやFTAに強い関心を寄せている。
    中国や韓国は農業分野などで自国に不利な条件があっても、相手国と関係強化を
    優先して締結を急ぐ傾向が強い。


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●経済2面(P5)  初のペイオフ 金融システム 影響小さく

    日本振興銀行の経営破綻は、預金などの払戻保証額を元本1,000万円とその利息
    までとする「ペイオフ」を発動する初めて事例となる。
    同行は決済機能を持たない特殊な経営モデルを採用しており、金融庁は
    ペイオフに踏み切っても金融システム全体に与える影響は極めて小さいと判断
    したもようだ。

    金融庁が振興銀に対してペイオフの発動を決めた大きな理由の一つに、同行の
    特殊なビジネスモデルがある。

    振興銀の預金はすべて1ヵ月~10年物の定期預金。
    定期預金の預け入れや払い戻しは郵送やインターネットで申し込んだうえで、
    他行の口座を通じて資金をやりとりする仕組みだ。
    本支店の窓口では現金を原則として取り扱っておらず、キャッシュカードも
    ない。

    給与の受け取りや公共料金の支払いなど、日々の暮らしの資金決済に使う
    普通預金や当座預金は取り扱っていない。
    振興銀はその理由として「高いコストがかかる資金決済口座を持たないことで、
    預金者に有利な金利を提供できる」と説明。
    実際、預金者の大半は他行よりも高めの金利を目当てにした余資運用が目的と
    みられる。

    また振興銀自体も他の金融機関との資金のやり取りは少ない。
    短期金融市場で資金を借り入れる際にも国債を担保として差し入れており、
    破綻しても他の金融機関に連鎖するおそれはないとみられる。

    公的資金投入の道も閉ざされていた。
    2003年11月に経営破綻した足利銀行の場合、金融庁は公的資金の投入を規定した
    預金保険法102条を発動して同行を一時国有化し、一部カットの対象となるはず
    だった定期預金を含めて預金を全額保護した。
    同行は約4割のシェアを占める栃木県内最大の金融機関で、破綻処理すれば
    「地域の経済への影響が極めて大きい」と判断したためだ。

    だが振興銀は決済機能がないうえ、資金規模が6,000億円と比較的小さいことも
    あり、「信用秩序に影響を及ぼすおそれがある」とする預金保険法102条の
    発動要件を満たさない。
    地域金融機関の資本増強を公的資金で支援する金融機能強化法も、債務超過で
    ないことが前提。金融庁は「振興銀が破綻しても公的資金投入は法律上不可能」
    との判断に傾いた。

    振興銀から融資を受けている企業には影響が及ぶ可能性がある。
    預金保険機構の管理下に入ったあとも、債務の返済状況が安定し回収が確実な
    「善良かつ健全な貸し手」は引き続き融資を受けられる。
    ただ短期の運転資金が中心で、これまで借りていた額が上限。
    同行から借り入れを増やすことは難しくなる。


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●マーケット総合1面(P14)  《まちかど》 生保の含み益に関心

    生保の保有株式の含み益がゼロになる水準が市場関係者の間で話題と
    なっている。
    ゼロ水準まで低下すると、政策当局が株価対策に動き出すとの観測が
    あるからだ。リーマン・ショック後の株価急落の場面でも、下値の
    節目として意識された経緯がある。

    三菱UFJモルガン・スタンレー証券の推定によると、大手生保の含み益が
    ゼロとなる水準は日経平均株価で8,000円台に集まっている。
    鮎貝正弘シニア投資ストラテジストは「第一生命の含み益がゼロとなる
    8,500円が下値のめどとして意識されやすい」と指摘する。


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●社会面(P34)  クモの糸集めて バイオリン弦

    クモの糸を大量に使ってバイオリンの弦を作ることに、奈良県立医大の
    大崎茂芳教授(生体高分子学)が成功し9日、発表した。

    バイオリンの弦4本のうち3本をクモの糸で作製。
    300匹以上のコガネグモとオオジョロウグモから、1本約1mの糸を集め、約1万本を
    まとめて1本の弦にした。

    クモの糸は柔軟性や弾性、耐熱性に優れ、大崎教授らは「夢の繊維」として
    注目。

    大崎教授は「いつかクモの糸を張った弦楽器を使い、オーケストラで演奏
    してみたい」と話している。

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 編集後記
 
 4~6月期の国内総生産(GDP)改定値、前期比0.4%増(年率換算1.5%増)に上方修正。

                              (那珂)
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NO484. 2010.9.14
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                              2010.9.14   NO.484

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            2010.9.14(火)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●企業総合面(P11)  《ひとこと》 事業継続、インフラ貢献で判断

    (日立製作所 中西社長)

    「単純な利益率だけが事業継続の判断基準とはならない」
    日立製作所の中西宏明社長は、13日に開かれた海外メディア向け講演会で
    断言した。
    2012年までの経営計画で詳細を明らかにした鉄道や発電プラントなどの
    社会イノベーション事業に貢献するかどうかで判断するという。

    一時は国内が縮小傾向にある冷蔵庫やエアコンなど家庭用電器事業の存続も
    危ぶまれたが「省エネなどに資する重要な事業分野になった」と将来の
    成長性にかける。
    M&A(合併・買収)についても「社会イノベーション事業を現地で協業できる
    相手を検討している」と、主力事業を成長させようと積極的なしかけを
    狙っていた。


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●企業2面(P13)  M&A情報の会員制サイト レコフデータ

    M&A(合併・買収)情報サービス会社のレコフデータは、日本企業のM&Aに関する
    情報やデータを閲覧できる会員サイトを新設した。
    同社が発行しているM&A専門月刊誌の記事や、有識者らのインタビューなど
    独自のコンテンツを提供する。
    経営企画の立案や研究活動などでの利用を見込む。

    同社の専門誌「MARR」の年間購読者の場合、会員登録すると同誌掲載の記事の
    ほかに過去記事の検索、サイトだけの記事を読める。

    同誌の読者でない場合も会員になれば無料で過去記事の見出しの検索や
    独自記事などを閲覧できる。


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●マーケット総合1面(P16)  《まちかど》 情報拡充で人気に変化も

    東京証券取引所は金融情報会社などに配信する
    上場不動産投資信託(REIT)の情報内容を拡充した。
    REITを投資先別に「オフィス」「住宅」などに分けた「用途別指数」
    について、投資家は指数のグラフや日中の値動きを簡単に
    入手できる。

    13日のオフィス指数は後場に伸び悩み、終値は957と
    2月末比4.3%下落。
    一方で賃料が比較的安定している住宅指数は同期間で10%上昇
    している。値動きがより分かりやすくなったことで
    「人気がオフィス系から住宅系に移るきっかけになる」
    との指摘がある。


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●マーケット総合2面(P17)  《大磯小磯》 財源捻出に妙手なし

    民主党の代表選では「無利子国債」「国有財産証券化」「一括交付金」など
    目新しい言葉が飛び出している。
    いずれも財政再建またはマニフェスト(政権公約)実現のための財源捻出を
    狙ったものだが、どれも起死回生の妙案だとは言い難い。

    一般的にいわれる無利子国債は、利子の付かない国債だから財政負担は少なくて
    済む。ただ、買う人はいないので、買った人に相続税を免除するという恩典を
    付けるものだ。

    しかし、考えてみればすぐに分かることだが、相続税収入が減ることになる。
    問題はどちらが大きいかだが、素直に考えれば相続税が減るほうが
    大きいだろう。
    なぜなら、無利子国債を買おうとする人は、利子が入らないで損をする分より、
    相続税を免れて得をする分が大きいと思うからこそこれを購入するからだ。

    国有財産の証券化はどうだろう。
    これは国の資産を証券化して小口にばら売りをしようというものである。
    かつて経済財政諮問会議でも議論されたことがあり、目的と対象によっては
    政府部門を効率化する一つの有力な手段となる。

    しかし、これで財源を生み出そうというのであれば、埋蔵金の議論と同じに
    なってしまう。国が不必要な資産を持っている(埋蔵金がある)のであれば、
    売り払っても構わないが、その収入は本来国の借金の返済に回すべきもので
    ある。資産売却によって得た収入を歳出として使ってしまったら、国の純資産は
    その分減るのだから、赤字国債を出したのと同じことになる。
    借金を増やしているという意識がない分、赤字国債よりたちが悪いとさえ
    いえる。

    一括交付金はどうか。
    これは、それまで個々の事業ごと、関係省庁ごとに地方に配布していた
    交付金を、まとめて地方に渡してしまい、その使い道は自由にするという
    ものだ。
    これは、財源面から地方の自主性を高めるという意味では効果的な政策である。

    しかし、それで財源を捻出しようとすると「自由に使えれば合理化できるの
    だから、地方に渡す総額は少なくていいはずだ」という議論になるので、
    地方サイドが黙って同意するとは思えない。

    財政再建やマニフェスト実現のために財源を生み出そうとすれば、ある程度の
    痛みを覚悟して、歳出削減または増税を行うしかない。
    誰も困らないで財源が出てくるような起死回生の妙手はないのである。(隅田川)

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 編集後記
 
 大阪34年ひったくり連続ワーストワン脱出。1~8月。

                              (那珂)
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NO485 2010.9.15
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                              2010.9.15   NO.485

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            2010.9.15(水)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●経済2面(P7)  税・社会保障 生涯の純負担 内閣府が初の試算

    内閣府は14日、生涯を通じた税金や社会保険料の負担が社会保障の受益を
    どれだけ上回るかを示す「生涯純負担(1人当たり)」について、都道府県別の
    分析結果を初めてまとめた。
    純負担が最も大きい東京都と最小の沖縄県の差は約4,000万円に達した。
    税負担には法人税も含んでいて、その分大きくなっているものの、社会保障を
    通じて、所得が比較的多い地域から少ない地域への再配分がなされている
    実態を示す。

    内閣府の経済社会総合研究所が秋田大の島沢諭准教授らと「世代会計」という
    手法を使って試算した。
    負担は税金や社会保険料、受益は年金や医療費・介護など社会保障費の合計で、
    差額の純負担額を計算した。
    今の社会保障制度や税制が続くことを前提に、2008年時点で0歳だった世代を
    試算の対象とした。

    都道府県別の生涯純負担額の平均値は2,139万円。
    これに対して、最も大きかったのは東京都の4,415万円。愛知県や大阪府などの
    大都市圏が3,000万円台で続いており、大都市圏の高さが目立った。
    大都市圏は1人当たりの県民所得が比較的多いため、所得を反映する税金や
    社会保険料の負担が大きいことが要因だ。
    東京都は生涯の負担が約9,700万円に達する一方、受益は約5,300万円だった。

    純負担が最も少ないのは沖縄県の248万円。
    鳥取県や愛媛県なども含め1,000万円を下回った例は7県あった。
    こうした県では、受益の水準が負担に見合う可能性が高いともいえる。

    地域間の格差を生涯の所得に占める純負担の割合(生涯純負担率)で見ると、
    東京都が19%だったのに対し、沖縄県は2%にとどまった。
    内閣府の経済社会総合研究所は「所得の高い地域の負担が他の地域に回る
    再配分機能がが働いている」と分析している。

    税や社会保障を通じた再配分は公共投資よりも大きい。
    内閣府は世代会計の手法で公共投資で積み上げられた社会資本からの受益も
    都道府県別に試算。最も大きかったのは島根県の1,466万円。
    最も小さい埼玉県(410万円)との差は1,000万円程度だった。

    これまで公共投資が他域間の再販分機能を担ってきたが、公共事業の削減が
    進んだこともあり、社会保障の役割が増した形だ。
    「都市部に負担が偏る傾向は今後も続く可能性がある」と指摘される。
    格差拡大の懸念もあり、地域間のバランスをどうとるかが課題になりそうだ。


    〈世代会計〉
    1人の人が生まれてから死ぬまでの間に、税金や社会保険料として政府に支払う
    負担の総額と、社会保障などの形で政府から受け取る受益の総額を試算し、
    その関係を年齢層ごとに算出したもの。
    社会保障や税制を議論する際に、世代間の不公平などに目配りするための
    基礎データになる。
    負担総額から受益総額を差し引いたものが純負担額。
    今回の試算では受益の範囲を年金や医療費・介護とし、公共財などは含めて
    いない。
    生涯純負担率は一生涯で得る所得に対する純負担の割合を示す。


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●マーケット総合1面(P18)  《まちかど》 「長期政権」に託す株高

    政権の任期が長いほど株価は上昇しやすい--。
    大和証券キャピタル・マーケッツの調べでは任期の長短と株価に
    相関があるという。
    福田、麻生、鳩山の短命政権が続き、株安傾向に拍車がかかった。
    民主党代表選で再選された菅首相は14日時点で2.5%安と、経過は
    芳しくない。

    首相の在任期間は過去125年間の平均で1.3年。
    「経済の混乱期は政権運営が難しく、短命になる」。
    次の衆院選まで最長3年。3ヵ月余りの短期政権は回避したが、
    長期政権に向け党内だけでなく野党や官僚の協力を引き出せないと、
    株式相場の先行きも厳しい。

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 編集後記
 
 金、1トロイ・オンス=1,276.5ドルの史上最高値を更新。

                              (那珂)
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NO486 2010.9.16
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            2010.9.16(木)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●総合・政治面(P2)  《社説》 政府・日銀は円売り介入の効果高めよ

    政府・日銀は15日、6年半ぶりに円売り介入に踏み切った。
    最高値をうかがう円の上昇を止めなければ景気の腰をおり、産業空洞化と
    雇用悪化を招く。政府は引き続き断固たる行動に出るべきだ。
    日銀も金融緩和に工夫を凝らして介入の効果を高めることで、政府に協力して
    ほしい。

    民主党代表選で菅首相が再選された14日の午後から再び円高が加速し、
    1995年4月に付けた最高値の1ドル=79円75銭が指呼の間となった。
    市場は菅内閣が円高是正にどこまで本気かを試したのである。

    円高が景気腰折れとデフレ悪化をもたらしかねないだけに、介入実施は
    妥当だった。円高に伴う輸出企業への打撃が和らぐとの期待から、15日の
    日経平均株価は大幅上昇した。

    もっとも、今回の介入だけで円高に歯止めがかかるとは期待しにくい。
    円高の原因は日本より米欧にあるからだ。
    米景気減速や欧州の金融不安に伴なうドル安やユーロ安の結果として、円高が
    進んでいる。景気の支え役に外需を期待する米欧は自国通貨安を事実上容認
    している。

    今回の円売り介入も米欧は同調せず、日本の単独介入だった。
    菅首相が示唆したように、日本は米欧当局が露骨な介入批判を控えるよう
    求めるのが精いっぱいなのではないか。
    万一、米欧の政治家や経営者から介入批判が飛び出すと、せっかくの介入も
    冷や水を浴びせられかねない。

    日本側は東京市場に続き海外市場でも介入したが、無理に相場の円安誘導を
    試みているのではないと委曲を尽くして説明しつつ、地道に円高圧力を鎮めて
    いく必要がある。

    仙谷官房長官は15日、「82円が防衛ラインか」との問いにその水準を事実上
    肯定したが、不用意に過ぎる。
    1月にも財務相に就任した際に菅氏が具体的な相場水準に言及したことがあった。
    市場に投機の機会を与えかねないと心すべきだ。

    介入の効果を高めるには、金融政策と足並みをそろえることが必要だ。
    白川日銀総裁は15日、「今後とも金融市場に潤沢な資金供給を行っていく」との
    談話を発表した。

    円売り介入で供給された円資金を日銀が吸収せずに市場に放置する
    「非不胎化」介入なら、市場の円高期待を修正するのに役立とう。
    日銀による一段の金融緩和も検討課題だ。緩和の手立てとして日銀自身が
    外貨を買うことも、円高防止の意志を示す点で一考の余地があろう。

    企業や家計の気持ちがくじけ、景気が失速しては元も子もない。
    政府・日銀は頭をもっと柔らかく、決意をもっと固く行動してほしい。


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●総合面(P2)  《きょうのことば》 外国為替市場介入

    財務省や中央銀行などの通貨当局が為替相場安定させるために、為替市場で
    通貨を売り買いすること。
    「介入」という言葉遣いには、市場の流れを変えるという意味がある。
    日本では財務省が介入するかどうかの権限を持ち、金額やタイミングを決める。
    財務省の指示を受けた日銀が代理人として、民間銀行に売り買いの注文を
    出すのが一般的だ。

    円売り・ドル買い介入なら、政府が短期証券を発行して円資金を調達し、
    これを元手に米国債などのドルを買うのがふつう。
    ある国の通貨当局が独りで実行するのが「単独介入」、複数の国の当局が
    一致協力するのが「協調介入」。
    15日の政府・日銀による介入は単独介入だった。


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●企業1面(P11)  「ウォークマン」刷新

    ソニーは15日、携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」を刷新し、3シリーズ
    12機種を10月9日から順次発売すると発表した。
    中級以上の機種すべてにノイズキャンセリング(騒音除去)機能を搭載し、
    歌詞表示などのカラオケ機能も充実させた。
    米アップルに対抗し、国内販売シェア50%以上の獲得を目指す。

    ノイズキャンセリングは周囲の騒音をカットし、電車やバスの中でもじっくり
    音楽を楽しめる機能。カット率を98%と従来比8ポイント高めた。
    上級機種のAシリーズ(価格はオープンだが店頭想定は24,000~40,000円)に加え、
    Sシリーズ(同14,000~20,000円)もすべての機種に搭載した。

    楽曲にあわせて表示する歌詞を中央に見やすく表示し、ボーカルの音を弱めたり
    音程を上げ下げしたりできる機能も追加。カラオケの練習に使いやすくした。
    機能を絞った低価格のEシリーズ(同8,000~12,000円)もデザインなどを改良して
    発売する。

    調査会社BCNによると、8月の国内販売シェアはソニーが47.8%でアップル(44%)を
    上回った。


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●企業2面(P13)  人口分布 時間ごとに測定

    NTTドコモは15日、携帯電話の契約者のデータを使い都市の人口分布を時間ごとに
    測定する技術について、東京大学と共同研究を始めると発表した。
    同技術を使えば、例えば通勤時間帯に東京・丸の内に人口が集中したり、
    昼間に東京・巣鴨に高齢者が多く分布したりといったデータを地図上で
    グラフ表示できる。
    防災計画や商店の出店計画用などとしてデータの外販を目指す。

    共同開発するのは「モバイル空間統計」と呼ばれる技術。
    携帯電話は通話やメール送受信をするため基地局と通信している。
    ドコモは基地局の通信状況から、各基地局のエリア内にいる人の数を時間ごとに
    年齢や男女別を測定。
    東京大学が数値を基に、時間ごとの人口変動を推計して地図化する。

    個人識別性のあるデータは除去して統計に使う。
    データの完成度を高めるための共同実験を11月から、まず千葉県柏市で
    実施する。

    これまでの人口分布は国勢調査などが主だったが、同社によると時間ごとに
    人口分布を把握できる技術は初めてという。
    全国で収集したデータをまちづくりや防災、商圏の分析などに活用する。

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 編集後記
 
 日経平均株価の午前の終値、+28円の9,544円。

                              (那珂)
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NO487 2010.9.17
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                              2010.9.17   NO.487

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            2010.9.17(金)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●1面(P1)  《春秋》 

    三代目といえば「売り家と唐様で書く・・・」と揶揄されそうだが、こちらの
    三代目はどうだろう。
    来春開業する九州新幹線の「さくら」だ。
    定期列車で同じ名の初代は戦前期の名門特急だった。次が戦後長く愛された
    ブルートレインだ。

    東京-下関間を走った初代「櫻」は「富士」とならぶ日本初の愛称付き列車。
    その名を受け継いだ東京-九州往復のブルトレ「さくら」は1959年に登場し、
    鉄道の黄金時代を担うも5年前に消えた。
    さて、新大阪と鹿児島中央を4時間で結ぶ三代目は航空機との競争が使命だ。
    料金面でも勝負をかけるらしい。

    「4時間の壁」という言葉ある。
    鉄道か空の便か。その境目は鉄道で4時間を切るかどうかだという。
    東京-広島間は新幹線が優位なのに、博多となると空が圧勝だ。
    だから九州新幹線「さくら」は実にきわどいところ。
    危機感を強めたJRは、とうとう所要3時間47分の「みずほ」を追加する案を
    打ち出した。

    「みずほ」もまた往年のブルトレ名だが、地味な存在だったから超特急に冠する
    のはどうか。などというマニアの声はさておき、陸と空とのこの競い合いは
    安全を大事にしてくれるなら大いに歓迎しよう。
    関西から南九州へ?そりゃ飛行機だよ。という常識を変えかねないから
    ニッポンの鉄道もなかなか面白い。


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●総合・政治面(P2)  《社説》 介入の次に問われる成長戦略の実行力

    6年半ぶりとなる円売り介入はひとまず一定の成果をあげている。
    しかし貿易黒字国が自国通貨を安くする政策には米欧など海外から風当たりが
    強い。介入の効果だけに大きく期待するのは現実的でない。

    円高やデフレを和らげ景気回復を促すためには、政府が新成長戦略を早めに
    実行し、日銀が一層の金融緩和で足並みをそろえることが大事だ。

    円売り介入に対し早くも、米国の議員や
    グリーンスパン前連邦準備理事会(FRB)議長、ブラジル財務相から懐疑的または
    批判的な発言が出た。
    日本の介入が世界的な通貨安競争を助長するとの見方もある。

    介入によって輸出企業はやや円安水準で為替予約(先物の円買い)を結べるように
    なり、投機筋にも警戒感を与えた。そうした効果はあったが、円高の原因が
    米国のデフレ懸念など海外にあるので、円を1ドル=90円台に押し戻すのは当面、
    期待薄だ。効果の面からも国際的に批判を浴びる点からも介入には限界がある。

    政府は10日、3段階の経済対策を決めている。
    予備費を使った需要・雇用の創出が第1段階の「緊急的な対応」で、為替介入も
    これに含まれる。
    第2段階は補正予算編成のほか、6月に決めた新成長戦略の推進・加速など。
    第3段階として来年度税制改正作業で法人減税の検討や規制・制度改革を掲げた。

    その方向性は評価したい。
    特に法人の税負担軽減や規制改革など経済の供給面の改革に踏み込んだのは、
    政策転換といえる。
    企業活力の重要性に気付いた正しい判断である。

    規制改革では今回、マンションの建て替え促進など80項目余りを盛り込んだ。
    今後は医療、介護、保育など成長分野での大胆な規制改革が望まれる。
    新成長戦略では、特定地域の特定の産業を規制緩和や税制優遇で後押しする
    総合特区をうたった。
    各地から医療、農業、環境などの総合特区の提案が出ている。
    前向きに検討し経済活性化に生かしたい。

    円高で産業の空洞化が進むなか、法人の実効税率の引き下げは喫緊の課題だ。
    ぜひ、来年度からの引き下げを望む。
    10日の経済対策には含まれなかったが、年金や医療制度の抜本改革は個人消費を
    安定的に伸ばす意味で、立派な経済対策でもある。
    与野党協議も視野に社会保障制度改革の議論に早く着手してほしい。
    
    一連の政策には既得権を持つ業界や官僚の抵抗も強い。
    社会保障改革では消費税増税も避けられない。
    菅首相が指導力を発揮してこそ、企業と家計の不安をぬぐえる。
    それこそが最大の景気てこ入れ策だ。


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●企業2面(P13)  グーグル カーナビ、日本でも  無料で スマートフォン向け

    米グーグルは16日、欧米で展開中の高機能携帯電話(スマートフォン)向け
    カーナビゲーション機能を日本向けに対応させたと発表した。
    携帯電話向けソフト群「アンドロイド」を搭載する端末から無料で利用できる。
    目的地までの音声案内機能などを備える。
    新機能の提供でスマートフォン経由のネット利用者増を目指す。

    新機能は「グーグル・マップナビ」。
    携帯電話に搭載される全地球測位システム(GPS)機能に地図検索サービスなどを
    組み合わせて提供する。
    住所や地名などを携帯に話しかけるだけで現在地からの道順を検索して案内を
    始める。
    通常の地図のほか、航空写真上にルートを重ねて表示することもできる。

    同様のサービスは国内の携帯コンテンツ各社も提供中だが、グーグルは主力の
    検索機能との連携を強みに利用者獲得を狙う。
    欧米14ヵ国で展開中で、アジアでは日本が最初の提供国になる。


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●マーケット総合1面(P16)  《まちかど》 先導株比率低下は吉兆?

    売買代金に占める上位10銘柄の占有率を示す先導株比率の低下を受け、
    相場の転換点が近いとの声が出ている。
    物色の柱が不在になると低下する傾向があり、株価も
    「底値圏に近いケースが多い」という。

    東証1部の同比率(10日移動平均)は2008年20%台前半での推移が目立った。
    その後、景気底入れ期待から日経平均株価は09年夏まで上昇傾向を
    たどった経緯がある。
    足元の同比率は17~19%程度。円高一服で物色先として輸出株への期待も
    浮上しているが、今回はどうか。

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 編集後記
 
 鈴木宗男議員失職、近く収監へ。
 塀の中で、自分のしたことを熟考してほしい。

                              (那珂)
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NO488 2010.9,21
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            2010.9.21(火)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●1面(P1)  《春秋》 

    本紙の「私の履歴書」に連載中の木田元さんの「一日一文」という本を
    編んでいる。
    古今東西の名言366を集めた書のきょうのページを開くと、ちょうど150年前の
    この日没したドイツの哲学者、ショーペンハウエルの名があった。

    著作では、「読書について」がポピュラーだろう。
    「読書は、他人にものを考えてもらうことである。・・・だから読書の際には、
     ものを考える苦労はほとんどない」。
    皮肉たっぷりに、多読すれば頭の中はたくさんのことを重ねて書いた黒板の
    ようになる、と言われれば、たしかにそんな気がする。

    ことしほど秋が待ち遠しかったことはない。
    やっと風が立ち、さあ、読書である。そういえば国会が議決した「国民読書年」
    だった。
    ショーペンハウエルにかかっては気勢がそがれそうだが、彼は「重要な書物は
    いかなるものでも、二度読むべきである」とも書く。決して「読むなのススメ」
    論者ではない。

    木田さんの連載には本の話が多い。「読まかった日なんて数えることができる
    くらいだ」と別に書くほどで、若者には「いい本を読んで、深く感じ、
    深く考えるとを学んで」と呼びかける。
    ドイツの哲人は、良書だけを熟読すべし、とずばり言い切る。
    なるほど、「読書について」は2度読んでも後悔しない。


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●総合・政治面(P2)  《社説》 中国は対立激化を抑える冷静な行動を

    尖閣諸島の領海での衝突事件を巡り、中国政府が日本への強硬姿勢を一段と
    鮮明にしている。
    新たに閣僚級以上の交流の暫定的停止や、航空路線増便に関する交渉中止などを
    決めた。両国間の様々な交流事業にも中止の動きが広がってきた。

    他人に投げた石はやがて自分にはね返ってくる。
    それは国家間の関係でも同じである。日中が深刻な政治対立に陥るのは、
    どちらの国の利益にもならない。にわかに激しくなったきしみを早急に
    抑えるよう、中国政府に冷静な対応を求めたい。

    石垣簡裁は19日、海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船の船長の拘置期限を、
    29日まで延長することを認めた。中国の新たな対抗措置はこの決定への報復
    だという。

    中国側は船長の即時無条件釈放を求めているが、日本は法治国家だ。
    外国からの圧力や政治的な理由によって、司法判断を曲げることはできない。
    日本政府は国内法に基づき粛々と対応する立場を示しており、実際にそれ以外に
    選択肢はない。

    だが、中国側は必ずしもそうは考えていないようだ。中国政府はすへでに要人の
    来日中止や東シナ海のガス田共同開発に関する条約締結交渉の延期も通告して
    いた。圧力を強めれば、日本政府が司法に介入し、船長を釈放すると思って
    いるのかもしれない。
    共産党支配下の中国と異なり、三権分立の民主主義国家では、そのような手法は
    許されないことを、中国側は理解すべきだ。

    日中が成熟した関係を築けるかどうかは、深刻な対立が起きたときの行動で
    試される。その点、日本側は自制した行動をとってきた。

    尖閣諸島周辺の日本領海には8月中旬以降、多い日で約70隻もの中国漁船が出現
    していたという。だからといって、それらの船長を日本側が次々と逮捕した
    わけではない。今回逮捕したのは、中国漁船の方から巡視船に衝突してきた
    からだ。中国国内では、この事実すら正確に報じられていないのは遺憾である。

    中国側には国内で弱腰批判を浴びないためにも、日本に強い姿勢を示さざる
    得ない事情があるとみられる。弱気の対応に出れば、反日ムードが
    反政府運動に転化しかねないと恐れているとの指摘もある。

    中国政府が北京、上海などで厳重警備を敷き、反日デモの拡大を抑えようと
    しているのも、そんな懸念からだろう。
    だとすれば、中国がとるべき行動は逆ではないか。
    強硬措置を連発して対立の火に油を注ぐのではなく、深刻になる前に対立を
    鎮めるよう冷静な行動に徹してほしい。


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●総合・経済面(P3)  減税の効果 検証不足多く 各省の点検義務、形骸化

    政策減税の継続の可否を巡って、政府が各省に要求段階で減税の影響額や
    恩恵を受ける企業の数などを提示するよう義務付けた新指針が形骸化している。
    8月の税制要望と併せて提出した「政策評価」の詳細を点検したところ、
    減税の費用対効果の検証が不十分な事例が目立った。
    政府は役割を終えた減税項目を廃止し、財源確保につなげたい考えだが、
    各省の抵抗はなお強そうだ。

    政府は5月の閣議決定で、租税特別措置(租特)と呼ばれる政策減税について
    必要性を検証するよう各省に義務付けた。
    2011年度税制改正で新設や延長、拡充を要望する法人税関係の項目が対象。
    各省が9月中旬までに総務省に提出した政策減税の「政策評価」は約220件に
    上った。

    政府方針に沿って、詳細な分析を添付した事例もある。
    経済産業省は「中小企業党基盤強化税制」について、年間の減収額が319億円に
    上る一方、IT関連投資が「減収額1に対して1.57倍」に増えるなどと記した。

    ただ、十分な検証を経ずに、減税要求する省庁も目立った。

    厚生労働省は約20件の検証のうち半数以上で必要なデータを記載していない。
    例えば、理美容業などを対象とした「機器取得費の一部税額控除」では、
    「広範な投資促進の動機付けを与える必要がある」と記載しているだけで、
    過去の適用実績や、延長期間(2年間)の減収見込み額は示さなかった。

    農林水産省も農産加工業者が機械を取得した代金の一部を税額控除する制度を
    延長要望たが、今後2年間の減収額を示していない。
    達成目標も「農業加工業者の売上高が前年を上回る」と記するのみで、
    機械取得費を一部税額控除する政策減税との関連を十分に示さないまま、
    継続要求した。

    総務省の「過疎地域における事業資産」は過去3年間で3件しか適用事例がない。
    それでも、総務省は「企業進出に影響がある」と継続を要求した。

    国土交通省が継続を要求した「まち再生促進税制」の過去実績も過去3年間で
    1件だ。

    政府は昨年末の税制改正大綱に適用期限を迎えた政策減税を原則廃止する方針を
    盛り込んだ。それでも各省は多くの項目で延長や拡充を要望した。
    廃止に向けてどこまで各省に厳しい対応で臨めるかが今後の課題だ。


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●総合・経済面(P3)  医療費 「高額」の患者数最高 月1,000万以上、155人

    健康保険組合の連合組織である健康保険組合連合会によると、1ヵ月間で
    1,000万円以上の医療費がかかった延患者数が2009年度に155人と1986年の
    調査依頼、最も多かったことが分かった。
    高額の新薬や医療機器が相次いで登場、治療費が高騰する要因になっている。
    こうした高額医療費の大半は健康保険組合などが負担している。
    医療の高度化と健保財政のバランスをどうとるかが課題になる。

    1ヵ月間で医療費を1,000万円以上使った延患者数は86年は12人だったが、
    その後は増える傾向にある。08年度は134人だった。

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 編集後記
 
 日経平均株価は一時、9,700円台に。

                              (那珂)
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NO489 2010.9.22
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            2010.9.22(水)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●総合面(P3)  特捜検事を逮捕 「強大な権限」制度疲労

    描いた事件の構図を全否定されて控訴断念に追い込まれたうえ、押収資料の
    改ざん事件まで発覚した郵便不正事件は、「巨悪を眠らせない」「最強の
    捜査機関」という特捜検察への信頼を大きく失墜させるものとなった。

    警察の捜査を指示・指揮する検察は、自らも「いかなる犯罪も捜査することが
    できる」(検察庁法)。
    検察審査会の機能が強化されるまでは起訴権限を独占し、犯罪事実があっても
    実際に起訴するか否かを決める裁量権を持つ。
    捜査から、起訴、求刑、上訴、刑の執行の指揮まで刑事司法のあらゆる分野で
    強大な権限を行使してきた。

    検察捜査を象徴する東京、大阪両地検の特捜部は、ロッキード事件やリクルート
    事件など社会的影響の大きい事件を摘発してきたが、最近では強引な取り調べが
    問題視され、無罪判決が目立つようになった。国の政策や政権の意向に沿って
    事件を構成するという「国策捜査」批判も根強い。

    特捜検察の捜査を支えたのは、同じ法律の専門家である検察官の調書に高い
    信頼性を認め、99%以上の有罪率で起訴を追認してきた裁判所
    ▽容疑を認めなければ保釈されない「人質司法」
    ▽無実を訴えるより容疑を認めて執行猶予付き判決などを得た方が社会的損失が
    少ない司法風土など、旧来の司法そのものである。

    市民の参加で専門家の常識が通用しにくくなり、調書より法廷証言を重視する
    裁判員裁判が導入された時期に問題が噴出しているのは偶然ではない。

    報道機関も特捜部の法執行のチェックという役割を十分果たしてきたとは
    言い難い。国会議員などで構成する法務省の検察官適格審査会もほとんど
    機能せず、検察を監視する体制は事実上なかったといっていい。

    こうした中で検察の制度疲労が蓄積し、基本原則から逸脱し、独善に陥った
    捜査が見逃されてきたのではないか。
    1990年代以降、多くの省庁、機関で無謬性の固執、組織内論理の優先などから
    不祥事や機能不全が相次いだが同様の構図が見て取れる。

    ただ、特捜部が摘発する贈収賄事件などはまさに「密室」の犯罪であり、
    もともと有力な物証は得にくい。被告側の防御技術が向上して供述がますます
    得られにくくなる中、欧米各国のような司法取引や刑事免責などの手法がない
    まま、今後、こうした犯罪をどう立証していくべきか。

    特捜検察への信頼失墜が構造汚職などの見逃しにつながっていいはずはなく、
    捜査力強化と信頼性確保の両方が必要だ。
    検察自身による変革の努力はもちろん不可欠だが、旧来の司法風土も問われて
    いる。
    

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●企業2面(P13)  携帯向け変換ソフト ジャストシステム

    スマートフォン(高機能携帯電話)向けにかな漢字変換システム
    「ATOK(エイトック)」を提供する。
    ATOKの機能を組み込んだ「iPhone」用メモ帳ソフトを22日に発売するほか、
    11月には米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」用かな漢字変換システム
    の試用版を公開する計画だ。


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●マーケット総合1面(P16)  《まちかど》 FX・証券株に明暗

    政府・日銀の為替介入で、株式市場で
    外国為替証拠金(FX)取引専業者株が動意付いている。
    21日の終値は介入前の14日比でマネパGは9%、FXプライムも3%上昇。
    介入は断続的に続くとの見方から、介入を見越した個人投資家の
    取引増で業績貢献するとの期待がある。

    一方、証券株は総じてさえない。
    野村やカブコムなどが21日、年初来安値を更新した。
    介入で円高は一服したが一段の円安には向かわず、株式市場では
    薄商いが続く。
    「収益悪化懸念がある」と当面、軟調な展開を予想する声も。


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●マーケット総合面(P17)  《大磯小磯》 「新銀行」の挫折から学ぶ教訓

    新銀行東京の経営不振・業務縮小に続き、日本振興銀行が破綻と認定され
    法的整理を開始した。
    石原慎太郎東京都知事と木村剛元会長というイデオロギー的に対照的な創業者を
    いただく新銀行の相次ぐ挫折から得られる教訓は少なくない。

    金融危機後に新規参入した新銀行はビジネスモデルの違いで明暗を分ける
    格好になった。
    中小企業金融をうたった両行の失敗に対し、成功組はATMでの決済サービスに
    特化したセブン銀行やインターネット銀行など、伝統的な預貸業務以外の
    金融サービスを中心に据えている。

    しかし、だからといって伝統的な銀行は時代遅れで不要と決め付けるのは早計
    だ。日本経済の成熟で銀行全体は供給過剰でも、中小企業向けの金融が
    行き渡っているとは言えないから新規参入があったはず。
    需要があるのに市場が縮小し、新規参入組が苦杯をなめたのはなぜなのか。

    高利で預金を集めた点は似ているが、新銀行東京は都営銀行に民間銀行の
    経営尺度を当てはめようとした無理があり、民間銀行の振興銀はもうかる
    ビジネスモデルをつくろうとして無理を重ねた。
    問題は、銀行が融資要請に応えるのは専ら利益を得るためで、貸し倒れリスクに
    見合う金利や自己資本を要求されるのは当然なのかどうかである。

    金融機関が自己利益の追求に傾きすぎれば、墜落するのは古今東西を
    問わない。金融には単なるもうけ仕事ではない、相互扶助の伝統もある。
    資金の融通(融資)では、協同組合の発想から生まれた信用金庫や信用組合が
    あり、無尽の発展型が第二地銀の前身である相互銀行であった。

    これらに政府系を加えた、利益追求を第一義的な目的としない金融機関が、
    地域や生活に密着した中小零細企業を支えてきた。
    それらを時代遅れと否定し、メガバンクとひとくくりにして、一見合理的な
    ミドルリスク・ミドルリターンのビジネスモデルを机上では描けても、理屈
    通りにいかないのが現実である。

    時代はいくら変わっても、中小零細企業向けの金融が不要になることはない。
    新しい金融技術を活用したビジネスモデルの開発とともに、新しい時代に
    ふさわしい相互扶助の金融のリニューアルを考えるべき時なのではないか。
    易きに流れるのではない、高い倫理性を備えた、社会が必要とする金融機能の
    提供者を育てる知恵と工夫が求められている。(渾沌)

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 編集後記
 
 政治屋の犯罪を捜査するのも特捜部、
 今回の件を契機に、反省とさらに信頼性の向上に努めてほしい。

                              (那珂)
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NO490 2010.9.24
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            2010.9.24(金)    日本経済新聞 (第14版 関西版)

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●1面(P1)  自社株使うTOB容易に 再編促し競争力強化 経産省が要件緩和

    経済産業省は企業のM&A(併合・合併)や事業再編を促すため、2011年度をメドに
    自社株を活用するTOB(株式公開買い付け)の条件を特例的に緩和する。
    産業活力再生法(産活法)で国の認定を受けた企業が対象で、完全子会社のための
    少数株主からの株式買い取りなども容易にする。
    これらの緩和は会社法見直しで議論されるが、法改正は13年度になる見通し。
    円高進行やアジア企業の攻勢をふまえ、企業再編を通じた国際競争力の強化が
    急務と判断した。

    経産省は11年の通常国会に産活法改正案を提出する。
    新成長戦略にある「M&Aなどの組織再編手続きの簡素化・多様化」の具体策の
    第1弾となる。
    改正産活法に沿って、事業再編による具体的な資本効率向上の目標などを
    盛り込んだ計画を国に提出し、認定された企業が対象となる。

    柱となるのは自社株を対価とするTOBの条件緩和。
    現在、日本企業のTOBは大半が現金での株式買い取りであり、企業は多額の
    資金を用意する必要がある。自社株の活用が容易になれば、企業が市場に
    出さずに持っている約13兆円の金庫株を有効活用でき、再編を進めやすくなる。

    自社株を使うTOBは現在も可能だが、裁判所が選ぶ検査役の調査などが必要。
    TOBでは相手企業の株価を高めに評価するケースが多く、利益を損ねる恐れのある
    自社の既存株主の理解を得るための総会での特別議決なども求められる。
    これらの手続きがTOBの障害になっているため、経産省は対象企業には検査役
    による株式価格の評価や特別議決を免除する方向で検討を進める。

    経産省によれば、パナソニックによる三洋電機とパナソニック電工の
    完全子会社化でも、特例が認められていれば株式を活用するTOBが使えた可能性が
    あるという。

    産活法の改正によって、グループ企業や外部の企業を完全子会社化する場合の
    少数株主からの株式買い取り制度も創設する。
    経産省はTOBで少数株主が残ると柔軟な事業再編が難しくなるとみており、
    株式の80~90%程度を取得すれば、TOB価格を下回らない価格で、少数株主から
    株式を強制的に買い集められるようにする。

    米欧や韓国に比べ、日本では液晶など電子機器や自動車部品、原子力といった
    主力分野で同一業種に数多くの企業があり、経営の効率化や設備更新が
    遅れているとの指摘がある。

    産活法改正によって事業再編を促し、日本企業の競争力向上を支援していく
    考えだ。


   ▼TOB(株式公開買い付け)
    「Take Over Bid」の略。
    企業の経営権取得などを目的にして不特定多数の株主から市場を通さずに株式を
    買い集めること。買い付け価格や株式数、期間などを事前に公表するため、
    すべての株主に平等に売却の機会が与えられる。


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●1面(P1)  《春秋》

    海にも紅葉がある。
    有明海の干潟に、秋になると葉が真っ赤に変色するシチメンソウが群生して
    いる。見渡すばかりの真紅の帯が夕日を浴びて輝く瞬間。感嘆するひとの
    笑顔も、ほんのり紅色に染まる。塩水で育つ不思議な植物である。

    なぜ赤くなのるか。どうやって光合成を起こすのか。なんのために、こんな
    厳しい場所で、頑張って生きるのか。まだ科学が解明し切れない謎が、小さな
    草の中に詰まっている。答えを見つければ、塩分が多い土壌で農作物をつくる
    ヒントになるかもしれない。生物にとっての辺境は、人間にとり知識の宝庫だ。

    地球上の生き物の「多犠牲」を守ろうと、各国代表の声が国連総会で
    飛び交った。人気取りの政治家の言葉ばかりではあるまい。
    中南米では熱帯雨林の破壊で、カエルやイモリが、すさまじい勢いで姿を
    消している。この40年ほどで、世界中の脊椎動物の個体数が3割も減ったと
    聞くと、そら恐ろしい気分になる。

    有明海のシチメンソウ群生地は、年ごとに面積が小さくなっている。
    例年なら、そろそろ緑から赤に移る時期。だが今年は穴があいたように、
    まだら模様に荒れている。
    繊細な命は、ひとが知恵を絞り、丁寧に世話しなければ守れない。
    海と陸の微妙な均衡の中で生きる「海の紅葉」の美しさを思い、背筋を正す。


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●総合・政治面(P2)  《社説》 科学予算に若手の目を

    政府の科学技術予算の配分に、若手の研究者の声を反映させる仕組みが動き
    出した。新しい試みであり、成果に注目したい。

    内閣府の総合科学技術会議は毎年、各省庁の来年度予算概算要求に含まれる
    科学技術予算について、専門家の目からどの研究を取り上げるべきか優先度を
    決めている。これまでは年長で影響力の大きい研究者が中心となり官僚とともに
    配分を決めてきた。
    今年は20歳代から40歳ごろまでの若い研究者が参加している。

    世界と競い、年齢的にも創造性が高い若手世代の選択眼を政策判断に加える。
    そうすれば、資金の配分をより研究最前線の現実に即し、効率的なものに
    できるはずだ。

    参加する若手は政府の研究費を得た実績を持つ独り立ちした研究者だ。
    総合科技会議は全国の約千人に文書で意見を求め、約40人が優先度判定の会議に
    加わる。会議のメンバーのおよそ3割が若手になった。

    若手に求められるのは、自らの研究の宣伝ではない。
    いま日本がどの分野を優先して予算を投入すべきかを見極める見識だ。
    専門家の資質を試される試練でもあり、しっかり意見を述べてほしい。
    総合科技会議や省庁は若手の考えを誠実に受け止め、反映に努めるべきだろう。

    首相が議長を務める総合科技会議は、科学技術政策を決める司令塔の役割を
    担うべき組織だ。現実には役所の要望を束ねる程度の機能しか果たして
    いなかった。若手の参加の試みは評価できるが、これで本来の任務をこなした
    とは到底言えない。

    経済成長を実現し地球環境問題などに対処するための技術革新への期待が高い。
    財政を考えれば、約3.6兆円の科学技術関係予算を大きく増やせる状況ではない。
    過去に投じた研究資金が有効に使われたのか。効果の判定を踏まえ、慣行や
    しがらみに縛られない配分が求められる。

    政府内には、総合科技会議のほかにも、宇宙開発戦略本部や
    情報通信技術戦略本部など、科学技術に関係する分野で司令塔的な役割をもつ
    組織がある。相互に政策や予算の調整が十分ではなく、省庁の縦割りを
    許している。
    政策全体を見渡し、針路を示せる真の司令塔をつくるべき時でもある。


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●企業面(P9)  《人こと》 日本勢、円高続けば汎用品苦境

    (ダイソー 佐藤社長)

    中東諸国から安い原料と大型の最新設備に裏打ちされた安価な化学製品が輸出
    され始めた。
    「日本の化学メーカーは将来的に駆逐されるかもしれない」。
    中堅化学メーカー、ダイソーの佐藤存社長は危機感を強めている。
    「このまま円高が定着すれば、塩化ビニールなど汎用品では勝ち目がない」

    日本勢が強みとする技術力も「いずれ追い抜つかれる」と指摘する。
    巨大な消費地とみていた中国などが、いまや生産国として強力なライバルに
    なりつつある。
    「事業を絞り込みながら、世界に通用する高機能品をいくつ生み出せるかが
     カギ。5年後には企業の優勝劣敗がはっきりする」と話していた。

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 編集後記
 
 中国、日本人4人を拘束。
 いまある中国は日本によるところが大きいのに、
 それが理解出来ない中国は先行って
 ドバイ危機に似た様な事態に陥る可能性も。

                              (那珂)
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